感動

　猛烈に暑い夏の日の午後、次女と三女を連れて、おいしいと評判のかき氷を食べに、地下鉄に乗って出かけました。
駅を出て数百メートル、小さな商店街を抜けて店に着いた頃にはすでに、私たち３人は汗だくでした。外には大勢並んでいる人たちがおり、さすがの人気店だという感じが漂っています。機械で整理券を発券し、そのまま外で待つことに。
暑さで汗が吹き出してきますが、これも美味しいかき氷を食べるための助走になるはずと、手遊びやクイズで時間を潰しながら、我慢して待っていました。それほど大きくないお店の中では、家族連れやカップルが、美味しそうなかき氷をゆっくりゆっくり食べているのが見えます。目の前のカップルなど、全然食べずに話ばかりしています。次第に我々３人の口から、ブツブツと文句が出始めます。しかし、次々と人が新しくやって来ては中に呼ばれていき、私たちは一向に入れません。
　もしやと思い整理券を見てみると、QRコードが付いています。読み込んでみると、LINEアプリであと何組の待ちなのかがわかるようになっていました。「あと13組」それに気づいた頃には私も子どもたちも、もう限界でした。「どこかお店に避難しよう」
　暑さでふらふらになりながら、さっき抜けて来た商店街のあたりに戻ってみると、なんといい感じの喫茶店が！！
「よし、ここだ！」「うん！！」
砂漠にオアシスを見つけたような気持ちでドアを開けると、一瞬で冷たい冷気が全身を包んでくれます。助かった…
「うわぁ、もうここは天国だね」
思わず子どもたちから声が出ます。そしてそこで注文したクリームソーダが本当に格別の味に感じられ、「もうこのお店最高！」と言った時の感動がこの日のピークでした。順番になる頃に戻って食べたかき氷は、確かに美味しかったのですが、あのクリームソーダには勝てませんでした。