問題を抱えながら
ちゃんと生きていけるようになればいい
藤場俊基『仏教(ぶっきょう)とはどのような教(おし)えか』より
とある報道特集を見ました。いわゆる「ADHD」の女性を取材した20分弱の動画です。「ADHD」とは、主に「注意欠如」あるいは「多動」という、脳の「偏り」が原因となっている個人的な特性のことです。
その女性は、とにかく物を失くしやすい、複数の用事を同時にこなすことができない、忘れ物が極端に多い、などの特性を持っている方でした。しかし、子どもの頃は親が先回りしてさまざまな準備をしてくれていたので、その特性が目立つことはあまりなく、学生時代も「うっかり者キャラ」で面白がられる程度だったそうです。しかし、小学校教員として働き始めると、徐々に事務作業で壊滅的なミスを連発するようになり、すっかり自信を失った彼女は、終業後の帰途では毎日のように「死にたい」と考えるようになっていったそうです。
転機は、妊娠、出産、産休育休期間の中、我が子を無条件に受け入れ、受け入れられるという経験を通して、自分自身を受け入れることができるようになっていったことでした。復職し、「私はよく忘れ物をします」など自分の特性を伝えるようにすると、周囲が助けてくれることに気づいたのだそうです。
明るく話す彼女を見て勇気づけられたのは、僕も少なからず同じ特性を持っているからでした。
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