１７歳の君へ

　お寺って、若い人には縁のない場所と思うかもしれないね。でも仏教って結局、人間について考えるきっかけみたいなものだし、それってむしろ、まだ大学に入ったり、自分の将来が決まったりする前の君にとって、より大きな意味を持つことなんだと思う。だから僕はこれから、どこにも存在しない架空の17歳である「君」に向かって、こんな口調で、語りかけることを始めてみようと思う。
　…白状すると、これは池田晶子氏の名著『14歳の君へ』のパクりだ。でもそれでいい。パクることが全ての出発点なんだ。ちょうどいい、そのことについて話そう。
　パクる、まねをする。昔の言葉でいうと「まねぶ」。それが、「まなぶ」という言葉の原型だ。そう考えると、学校の勉強は学びの練習みたいなもので（大事だよ）、君が強烈に何かを「まねしたい」と思い、その熱で走り出した時に、本当の学びが始まるんだろうね。