小学校の宿題に、「自主学習」というものがあります。自分で自由にテーマを決めて勉強するのです。
宿題である以上、評価基準もあるらしく、色付けや絵など、視覚的にも鮮やかに描きこまれたものが、より大きな「はなまる」をもらえます。
自他ともに認める読書家の三女は、本で学んだことをノートにまとめて書いていくやり方で、2年生のあいだに実に様々なテーマを扱い、そして毎回、絵を描くことにも力を入れて頑張っていました。
その中で、「お金」というテーマで書いたノートを見せてもらった日のことです。お金についての本で学んだことがよくまとめられ、最後に一万円札の絵が描いてありました。
「おー、丁寧にお金を描いたねえ」
感心しながら見ていると、ん? 妙に福沢諭吉が若いのです。
「あれ、なんだか若いね」と僕が言うと、娘は真剣な顔で、
「だって、人の顔にしわを描くのは失礼でしょ」と言いました。
ええ、実にやさしい子なのです。
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