二月末現在の時点で、悲惨な侵攻に晒されているウクライナ。多くの方々が、国境を越えて隣国ポーランドに避難していました。そのポーランドに生きた詩人、ヴィスワヴァ・シンボルスカの詩を集めて編まれた本です。
現地で恐怖に怯える人々の気持ちを想像してみることは難しいですが、せめてその土地の空気の中で生み出された文章に触れようと思い、本棚から手に取りました。「世紀の没落」という詩の一節にはいつも考えさせられます。
愚鈍さは
滑稽なことではない
賢明さということは、
楽しいことではない
世界のリーダーたちは当然、最も賢明な人たちであるはずですが、その賢明な人たちの決断によって国家の暴力が始まるのは、おぞましく悲しいことです。
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