主人公は、東京でトイレ掃除を仕事にしている一人暮らしの男。同僚に「やりすぎっすよ」と言われるほど丁寧に掃除をします。古いアパートに住み、朝起きて顔を洗い、植物に水をやり仕事に出る。帰ると開店一番の銭湯で汗を流し、夜は雨でも一杯やりに出て、就寝前は枕元で本を読み、寝る。無口で普段言葉を発することはほとんどないけれど、車で好きな音楽を聴いている時はご機嫌だし、神社では木に挨拶したりもします。
必要最低限の連絡のための携帯電話を持ち、音楽はカセットテープ、テレビは見ない。それでなんの不足もないし、それ以上をけっして望まない。現代の東京で暮らしているとは信じられないほどに、古いものに囲まれたシンプルな生活をする、幸せそうなおじさんの映画です。
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