舞台は1941年のアメリカの地方都市。荒廃した土地で、ある種の植物は、決して芽を出すことができない。そして荒廃しているのは、黒人という人種をめぐる状況も同じく絶望的であり、劣等感や自己嫌悪は、黒人たち自身の心の中にも深く埋め込まれていた…
この小説は、後にノーベル文学賞を受賞することになる黒人女性作家のデビュー作です。一人の少女が、家族からも、社会からも過酷な仕打ちを受け、やがて精神の崩壊を迎え、「もっとも青い眼がほしい」という願いに執拗にこだわるようになるまでの過程を描いています。
言葉遣いは難解で、ストーリーにも救いはありません。しかしカラッと乾いた客観性のある文章にはどこか明るさも感じます。後半の展開が圧巻でした。
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