10月 今月のことば

どんなよろこびの
ふかいうみにも
ひとつぶのなみだが
とけていないという
ことはない
谷川俊太郎「黄金の魚」より


 8月、子どもたちの夏休み期間中に、初めて広島に行きました。まずはお好み焼きを食べに、「お好み村」というビルに行きました。いくつかのフロアにわたって、お好み焼き屋さんばかりが並んで大きな鉄板を連ね、そこに大勢の観光客が詰めかけているので、とにかく猛烈に暑い場所でした。そんな中、一軒のお店に座ることができ、鉄板を目の前にして汗だくで食べたものですから、味よりも暑さの方が記憶に残っています。妻いわく「トイレがものすごく涼しかった」らしいので、確かに冷房はかかっていたようです😅
 そして、一番の目的地だった平和記念公園に。原爆ドームは思っていたよりも小さいんだな、と思いながら歩き、暑すぎるので途中休憩をしながら資料館に着くと、なんと、入場券を買うために中に入るまで外で90分待ちの行列が… 僕も妻も子どもたちも「嘘だろ…」と心折れそうになりましたが、とにかく並んでみると、実際には1時間弱で中に入れました。
 中で見る写真や資料に関しては、どんな言葉も追いつかないので書くこともできませんが、この場所で生きていた人々とは全くかけ離れた、どこかの机の上でこの爆弾投下が決められたのだ、という事実の非情さを感じていました。子どもたちも衝撃を受けつつ、真剣に見入っていました。帰り道、同じ公園を歩く時の気持ちは、来た時とはやはり違っていました。

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