誇るべき何も
もっていないけれど、
人生に欠けている
ものはないとおもう。
長田弘「きみにしかつくれないもの」より
毎年12月に発表される「今年の漢字」。昨年の一字は「金」でしたね。漢字能力検定のキャンペーンとして募集されたものなので、そこまで真剣に受け止める必要もないのでしょうが、それにしても意外で、僕は結構驚いてしまいました。
世界的に、大洪水や年ごとに深刻化する森林火災、巨大ハリケーンに未曾有の竜巻など、気候変動の影響はますます顕著になり、これまでの暮らし方そのものに「このままでいいのか?」と大きな疑問符が突きつけられ続けた一年だと感じていたので、「金」の字の能天気な佇まいをテレビ画面に見ながら、「いや、君にこの一年は背負えないよ!」と思わず心の中でツッコミを入れてしまいました。
そんな12月のある夜、家族も寝静まり、一人で起きていた時のことです。深夜特有の変な妄想が勝手に暴走して、「もしも自分が今とは全く違う人生を送っていたら」という想像が止まらなくなってしまったことがありました。独り身の自分、外国に住む自分、友達のたくさんいる自分、時間とお金にものすごく余裕のある自分…いろんな人生が頭の中で繰り広げられ、その時の感情も限りなくリアルに感じられたのですが、どんなな境遇にあっても、今この家族で暮らしている現実の自分ほどには、幸せと思えないのです。
今を大切にしたいと、改めて実感した夜でした。
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